2007年12月14日 (金)

年賀状はエコか?

(1)    年賀状の意味
 今年も師走に入り、まもなく年賀状の受付がはじまる季節となった。元旦の朝の楽しみのひとつといえば、届いた年賀状を読むことという方も多いのではないかと思う。郵政公社調べによれば、平成18年度の元旦に配達された年賀郵便物は20億5千200万通、国民ひとり当たりに換算して約16通くらいであるという。電子メールの普及や「虚礼廃止」の風潮もあって、近年、その数は減少し続けているといわれるが、なかなか会えない友人・知人から届く年賀状、または普段は、忙しさなどもあって、なかなかやり取りのできない間柄でも、年に一度、気軽にお互いの近況を報告し合えるのが年賀状のよさだといわれている。電話や電子メールなど、コミュニケーションツールの多い今も、親交を深めるのに有効な手段という考え方も1つでは確かにあると思う。年に一度のご挨拶、真心を感じさせる年賀状がより豊かな心の交流を呼んでくれることと期待できるのであればあながち、そういうの紙資源と郵送費の無駄を度外視して励行する人もまだまだ多いのが現状であろう。「私はあなたのために、少しだけど勞力(時間)を割きましたよ」という誠意の意思表示。単に挨拶や用件だけならば、メールで済むし、また、同じ年賀状でも、宛名ラベルを貼られたものや、
宛名を楷書体のようなフォントでプリントアウトされたものは、何となく「事務的に処理された」という感じがするので、あんまり本来の年賀状に期待されていた効果が受け取った相手に伝わりにくくなるにちがいない。手書きで宛名書きされ、手書きのメッセージを加えられた年賀状はまだまだ魅力的なのであろう。「この人は宛名を書いているとき、少なくとも1~2分間は自分のことを考へてくれていたんだなあ」受け取るわけであろう。人は自分のために他人が勞力を割いてくれることを基本的には喜ぶ。手書きの年賀状は、付き合いの深浅を問はずに、送り手の気分も重たくならずに、相手と自分の「繋がり感」を確認できる、手頃でコストパーセンテージの高い手段なのではないかとは思われる。よって、年賀状を送る習慣を非效率とか、年賀状を作成したり宛名書きをする時間は無駄だと宣う方も多いが、非效率だからならではの利点はやはりあるのかもしれない。

 (2)カーボンオフセット年賀状
 日本郵政と日本郵政公社は21日、温暖化ガス削減事業への寄付ができるお年玉年賀はがきを発行すると発表した。名称は「カーボンオフセット年賀」。販売価格は55円、内5円が寄付金となり、この寄付金に日本郵政が同額を上乗せして、排出権を購入。この排出権を日本政府に無償譲渡するそうである。仮に1億枚が売れた場合、31万2000トンの排出権購入が可能。この数字は、京都議定書の目標に対し、0.2ポイント分の削減効果があると試算されている。日本政府に無償譲渡とは分かりにくいが、このような取り組みは何にせよ環境保全につながる年賀状が来年のお正月には手元に届くということになる。しかしながらこういう趣旨を理解して55円の年賀状利用者がどれだけ購買するか、またどれだけカーボンオフセット年賀状周知できるかにかかっているかと思われる。これを契機に、オフセット付き製品が増えていくと一番いいのかもしれない。オフセットを利用した商品はなにも年賀状だけではなく、例えばオフセット付きTシャツの販売、カーボンオフセット食品、カーボンオフセット住宅など等、常識の言葉として一般市民が理解しているような普及がどうやったら浸透していくかが大切なことだと思う。

(3)年賀状と家族関係
 山田昌弘氏の「パラサイト社会のゆくえ ―― データで読み解く日本の家族」(ちくま新書)に、「日本の年賀状の意味」を説明している部分があって、要するに、年賀状とは、その送った当人の「家族観」を示すものらしい。例えば、ペットを家族と思う人は、年賀状の中にペットの名前も入れ込む。夫婦とはいえそれぞれは個人だ、と思う人は、各々が個人名だけの年賀状を出す。夫婦別姓を標榜する人にしてみると、年賀状を出すというのはその考え方をアピールする絶好のチャンスにもなるというわけである。で、最近人気のバンダイの人形、プリモプエルを真面目に「家族」として遇している人も世間にはいる。名前をつけ、会話をして。一種、一つの人格として対話できる人形ですから…。山田氏は、「プリモプエルが写っている年賀状を受け取られた方は、是非山田までお知らせいただきたいぐらいである」とまで書いている。山田氏曰く、年賀状とは「私たちは幸せな家族を営んでいます」と宣言する手段という意味があるそうである。しかし、その宣言が必ずしも真実を指し示すか、というとそれは違っていて、要するに本人の家族イメージの「表現」と、「宣言」にすぎないわけである。そう言われてみて、改めて今年受けとった年賀状を見ると、そこには確かに友人や親戚達それぞれの「家族観」「自分観」が現れているように思える。普段よく知っているつもりの相手の思いもよらない一面をもう一度改めて発見できるかもしれない。

(4)郵政事情
 郵政民営化がとうとう始まったが、民営化をする際に、日本郵政グループのパンフレット類の塗工紙の需要が九月末までの半年間で約6000トンあったということを新聞を読んで知った。需要が上がり経済が活性化するのはよいこととは思うのですが、環境の面でいうと、「民営化」したことによって本来必要ではなかったかもしれないことに資源が使われたのではないか?という気持ちもある。モノを作って売り、それを消費して経済は回っていく・・・・この原理、思考から二酸化炭素を削減しようという問題を解決するのは無理ではないのか?・・・と限界を少々感じてしまったわけである。その反面、郵政グループは以前紹介したような年賀状を始めたりしていて、何とも・・・複雑である。ちなみに、紙を1トン作るのに、約2トンの二酸化炭素が排出されると・・・・環境尺では見ることができる。単純に考えると、6000トンだから1万2000トンの二酸化炭素が排出されたということになるのはなかろうか。 今後は、個人情報保護のトレンドに乗って、社員同士がお互いの住所を知らないという企業が増えてくる事にちがいない。既に、社員名簿を発行しない企業も多いし、このままでは年賀状という文化そのものも消え去っていくのに違いないであろう。所詮、年賀状なんてのは年賀状用紙という資源の無駄 年賀状を書く労力の無駄 年賀状を配達する人的・物的コストの無駄 という無駄のオンパレード年賀状を通して地球環境問題への関心を広める。「カーボンオフセット年賀」は、寄附の目的を「温室効果ガス削減への貢献」に限定した寄附金付お年玉付年賀葉書で、目的を限定して寄附を行う寄附金付お年玉付年賀葉書の発行は、今回が初の試みとなるので、今年は1年に一度年賀状を書きながら環境保全について改めて考えてみる機会としようではないか。
(記・岩松珠美)

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2007年12月 7日 (金)

クリスマス商戦と省エネ

 12月に入ってクリスマスツリーのイルミネーションだけでなく、街中にはクリスマスソングのBGMが流れ、道行く足取りもうきうきしてくる季節になった。
銀のミキモトの本店にディスプレイされているツリーは高さ10メートル、樹齢40-50
年の群馬県嬬恋村から運搬されたもみの木である。

 クリスマス商戦に向けて、店の営業時間を延長したり、ショッピングセンターがセールを行ったりと、消費者の購買意欲をそそる仕掛けがいたるところでみられるシーズンとなった。クリスマスは、1年で最もお祭りムードが盛り上がる時期であり、家族や友人が集まってパーティが企画される。しかし、クリスマスだからと言って生活がガラリと変わってエコロジーライフ?ってというような日々は多いに困り物である。普段、買い物をしていると、スーパーにマイバックを持参したり包みを簡易でとエコライフを基本的に実践できている人もあまり包装に気を使わないところが多くなる。つまり商品を丁寧に包装紙で包むという事は辞退して、そのままビニール袋か紙袋に入れたり、マイバッグ持参しているのが、クリスマス用のプレゼントとなると、話がちがってくるのは思い当たるところがあるだろう。せめて自宅で包装としても、包装紙やリボンを売るコーナーが文房具屋に登場したり、ショッピングセンターでは包装紙だけを販売する出店も登場したりしている。

 通常交換するクリスマスプレゼントは、"ボクシングデー"(12月26日、プレゼントを開封する日)まで、クリスマスツリーの下に飾るように置かれるのが慣例なので、ラッピングもそれにふさわしいきれいなものが好まれるわけである。売られている包装紙は千差万別。ブリーチされていない(環境にやさしい)紙もわりと簡単に見つかるが、プレゼントを包装するのに使用する包装紙の多さには改めてびっくりさせられる。ひと家庭で3メートルのロール紙3本と2メートルリボン4巻を使用くらいは使ってしまうらしい。

 もちろん、筆者も昔はプレゼントを包装した後の包装紙もきれいにしわをのばして畳んでおいて、タンスの敷き紙に再利用したり、ブックカバーにしたり封筒などを作ってリサイクルに回したりはしたものだが、最近はそのままゴミ箱に捨ててしまうものも多いような気がする。お洒落な包装紙やリボンも取っておき、翌年のクリスマスのデコレーション用に再利用したりしていたのが、最近は包装紙は"ボクシングデー"の日に大量のゴミになってしまうわけことが多いわけで、クリスマス時期の消費生活の異常さを感じてしまう。 

クリスマスシーズンは、とかく「消費は美徳」と思われがちになってしまうのはなぜか。 クリスマス商戦のダイレクトメールが増えたりと、エコな生活を送るにはさまざまな障害があちらこちらに出てくる。エコライフを送るには、習慣どおりのクリスマスを送らないのが一番であろうが、 人づき合いがあってなかなかそうもいかない「世間のしがらみ」は万国共通である。

 「家庭向けの荷物は、最終的な目的地へ送り出すまでに物理的な仕分けが何度も必要なため、さまざまなタイプの荷物と混じり合い、流通の過程で落とされたり揺すられたり、いろいろと手荒い扱いを受ける。パレットで配送される企業向けの荷物とは大きな違いであり、またクリスマスなどは過剰包装になってしまう。1998年から2000年にかけて、電子商取引を行なうさまざまな企業から発送された荷物100個以上について多くの企業が「過剰包装の深刻な問題」を抱えていることが指摘されている。つまり「すき間」の存在である。つまり商品と梱包の内側との間にスペースを取ることは容認できるという。すき間は、ポリスチレンビーズやエアバッグ、発泡ビニールシートなどの緩衝材で埋められる。ビーズや発泡ビニールシートはほとんど再利用されずゴミとなる。妥当なすき間は品物の大きさによるが、商品の100?250%とされ、とくに陶磁器の鉢、玩具や人形などといった独特な形状のものには大きめのすき間が必要となる。

 なぜ人間はラッピングをするのであろうか。包むこと=過剰包装という意識が、まだまだ私たちの心のそこには存在する。確かに過剰包装のものもあるであろうが適した包装があり、ラッピングの技術や知識を得る事でわずかな量の資材で包んだり、捨てるものを再利用したりできることもまた事実である。風呂敷もラッピングも、「心を包む」であり過剰包装をさける手段としても共に有効な手段という側面ももっていることに少し着目してほしい。

 しかしながら、包み紙をバリバリと豪快に破いてあけるのはいかがであろうか。いろいろなラッピングペーパーやリボンンがたくさん床に散乱してしまう。きちんと包装されているうちは、なんとも綺麗で宝石のように光かがやいていたプレゼントの山がただのゴミの山に成り果てる。地球のどこかで、紙も鉛筆も無い学校で一生懸命勉強する子供達が生活している。まったく必要としていないおもちゃたちをペーパーバックに詰め込み、ラッピングペーパーをクシャクシャに丸めている自分が、何とも情けなくなってくる。こんなことではいけないと知らしめるべく、アメリカの次世代の大人すなわち子供達に『地球の反対側の貧しい子供達』の話をしてやる?が、せっかくの楽しいクリスマスに水をさすようでちょっぴりかわいそうである。おもちゃもラッピングペーパーもやはりクリスマスには必要なのではないかと考えてみた。 

会社、販売会社、ラッピングペーパー製造会社、販売小売店、みな生き残りに必死だ。クリスマスの売り上げの善し悪しで、会社の生存が大きく左右される。被雇用者だって会社が倒産ということになれば、それこそ明日の生活が危ぶまれる。なので、一見『無駄』に見えて、実はクリスマス『必要』だったりするというわけだ。本来のクリスマスとは、こんなものではなかった筈だと妙に腑に落ちないのは筆者だけであろうか。
(記・岩松珠美)

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2007年11月17日 (土)

環境に優しい身近なリサイクル食品廃棄物(楊枝)の処理及びリサイクルの現状その1

食品廃棄物の現状
   ① 食品廃棄物の排出量
食品は人間が摂取するものであることから、食品廃棄物は、有害物質を含むふぐの内臓など例外的なものを除けば、適切な分別をすることにより、これを農業生産の場に循環することが可能であるという共通の特質を有しており、古くは、家畜の飼料やたい肥の原料としてそのほとんどが農業生産に活用されていた。
しかしながら、現在の食品廃棄物の排出量をみると、産業廃棄物に分類される食品製造業等からの動植物性残さの排出量が平成8年度で約340万トン、また、一般廃棄物については、食品流通業、外食産業等の事業系のものが約600万トン、家庭からのものが約10百万トン、合計16百万トンと推計されており、両者を合わせると、20百万トン弱という膨大な量が排出されている。
これら、食品廃棄物は、廃棄物総排出量479百万トンの4%に相当し、一般廃棄物の排出量に限るとその約3割に相当する。
    (注) 食品廃棄物は、食品の製造、流通、消費の各段階で生じる動植物性の廃棄物であり、 具体的には、調理くず、日切れ食品、食べ残し等である。
   ② 食品廃棄物の処理の現状
食品廃棄物の処理の現状をみると、産業廃棄物に分類される食品廃棄物については、平成8年度において、約5割がリサイクルされている。
発生抑制とリサイクルの推進は、これまでみてきたように喫緊の課題であり、そのための法制度及び予算措置を含む総合的なシステム構築が必要となっている。

総合的なシステムを構築するに当たっては次の視点を踏まえる必要がある。
   ① 発生抑制とリサイクルの総合的な推進
「環境基本法」に基づき策定された「環境基本計画」においては、廃棄物・リサイクル対策について、第一に、発生抑制、第二に、使用済製品の再使用(リユース)、第三に、リサイクルといった政策の優先順位により、これを推進することが重要であると明示されている。
食品廃棄物についても、その発生抑制とリサイクルを推進していくに当たっては、リサイクルに先立って生産工程の改善等により、廃棄される物の発生を減らすこと、事業所内における脱水、乾燥等の処理による事業所外への排出量を減少させることが重要である。また、養豚の飼料としての直接的な活用等も考慮すべきである。
このため、このような食品廃棄物の発生抑制及びリサイクルの双方をシステムの中に明確に位置づけ、全体としての食品廃棄物の減量化を推進していくことが重要である。

   ② 弾力的な対応
食品廃棄物は、食品の製造、加工及び流通の各過程、また、消費段階等国民生活の様々な場面で発生し、その排出の形態、組成等も様々であるため、取り組みうる内容にも大きな差違が存在している。
このため、発生抑制とリサイクルの推進に当たっては、多様な取組方法を許容しうる柔軟なものとするとともに、様々な政策手法の効果的な組み合わせにより弾力的に推進していくことが重要である。

   ③ 国民一体としての取り組み
食品廃棄物の発生抑制とリサイクルの推進に当たっては、食品事業者等、消費者、再商品化製品の利用者、国・地方公共団体等の関係者それぞれが主体的に、また、多様な取組方法により食品廃棄物の発生抑制とリサイクルに取り組むことが必要である。
また、食品の製造、加工、流通、消費の各段階において、すべての関係者が発生抑制とリサイクルを自らの問題として考え公平な取組を確保することが必要であり、過度の鮮度志向や返品等の商慣行の変化により他者に減量化の負担を増加させることとなれば、廃棄物の処理責任の明確化が求められる。
最終処分場のひっ迫、ダイオキシン問題や自然保護の気運の高まり等で、新
たな焼却施設や埋立地の建設は困難である。
このような中で、平成11年9月、ダイオキシン対策関係閣僚会議で廃棄物
の減量化目標を設定、政府全体として一体的、計画的な廃棄物対策を推進。
特に、リサイクルの遅れている一般廃棄物のうち、食品廃棄物は3割を占め、
ほとんど焼却されており、食品廃棄物の発生抑制とリサイクルの促進は廃棄物
の減量化の推進上不可欠。
平成11年6月、ダイオキシン対策関係閣僚会議で農林水産省の取り組むべ
き事項として、食品廃棄物のリサイクルの推進を挙げた。
また、平成11年7月公表の食品流通審議会食品環境専門委員会では、食品
廃棄物のリサイクルの推進のため法制度化を含めた具体的な検討を提言。
このような状況を踏まえ、食品廃棄物リサイクル研究会を設置し、本報告書
を取りまとめたりしている。
 昨今ベトナムで積極的に使用されている楊枝はデンプンでつくられている。
澱粉爪楊枝

YS-001
(1本65㎜)
(280本入り)

参考価格
(US$0.32/PCS)
卸値
17万パックより     環境に良い「でんぷんから作った楊枝」。

 粉を固めて作っているので使用後は自然分解するエコ商品。色は透明感があり見た目は細いパスタの様ですが、澱粉100%のため従来の楊枝よりシャープで歯にフィットし少し弾力性もあり非常に使いやすく、カビも出ず竹製品より長持ち!エコライフをめざす、日本でも当たり前のようにこのデンプン楊枝が普及されてくるようにも感じている
(記・岩松珠美)

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2007年11月10日 (土)

環境に優しいボランティア実践例

プルトップを集めると車椅子に交換してもらえるってホント?と半信半疑である方が多いのではないかと思う。さてプルトップを回収して集めてみてた・・・・子供の頃のベルマークやグリーンスタンプなどは、学校をとおし体館の備品(例えばドッジボール、ネット、野球道具などなど)が寄贈させれている。
子供たちには学びが伴った環境整備の1つが今回「プルトップ」収集がどの様な手続きを経て、リサイクルされていくのがとても関心を持って、調査してみた。
さてプルトップとは何なのか?

プルトップとは、ジュースやコーヒーの缶についている開け口の金具のことである。プルトップの他に、リングプル・プルタブという呼び方もある。
原料のボーキサイトからアルミを作る熱量を100とした場合、リサイクルでアルミを作るにはわずか3の熱量で出来る。つまり、アルミはリサイクルにうってつけの資源なのである。つまりボーキサイトからアルミニウムの原料に加工する行程からつくるのが、大変な手間と莫大なエネルギーを必要とする。
*    ボーキサイト‥‥アルミニウムの原料で、酸化アルミニウムを52%~57%含む鉱石。色彩は変化に富み、赤灰色を基調とし、白、黒、緑を帯びることがある。形は豆状。アルミニウムの原料以外に、耐火用混合材、研磨材、アルミナセメントの素材として用いる。

なぜ缶ではなく、プルトップを集めるのか?
缶を集めるとなると、
・ 分別 (缶だとアルミ缶でないとダメ。)
・ 洗浄 (缶だと多少なりとも洗わざるを得ない。)
・ 保管 (長期間に渡ってリングプルを保管する場所が必要。缶はかさばってしまう)      
・ 圧縮 (決まった缶のつぶし方がある。上手くつぶせないかも。)
・ 輸送 (重いから運びにくい。)

等の理由で、缶ではなく、プルトップを回収している。

※プルトップは99%以上アルミで出来ている。

このような一般市民の草の根的な活動がやがて資源ゴミリサイクルへの関心を高めていく1つの起爆剤にはなっていくにちがいないと思った。
(記・岩松珠美)

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2007年11月 2日 (金)

環境に優しい生活― 紙オムツの行く末 その2

 台風一過の秋晴れの朝、パソコンに向かいながら前回の紙オムツの行く末を改めて読み返している。尿や便は付着した使用済みの紙オムツの焼却には高熱・高性能の焼却炉が必要なことと、焼却することによりダイオキシンの発生が問題となってくることを指摘した。高齢化が著しい現代において、特別養護老人ホームでは一日一人の高齢者について8回のオムツ交換がなされており、汚れた紙オムツの巨大な山は、無造作にビニール袋に詰め込められて産業廃棄物として清掃処理業者へ引き取られていった。一ヶ月紙オムツのみ使用するのと、布オムツ(注・施設ではリース)のみを使用するのでは、コストで考えると布オムツの方がやはり安価なのは事実である。布オムツは、肌ざわりや吸湿性、フィット感においてはいくか技術進歩が著しい日進月歩の紙オムツでもなかなか勝るものではやはりない。ただし、高齢者といえども大人の排泄量は、小児の比ではなく、布オムツではやはり漏れの心配は高いし、結果として介護者の負担がどうしても重くなってしまう。で、布オムツと高性能の尿取りパットや平紙オムツを兼用されている方々が多い。

 では紙オムツを安全に焼却する機械や方法について様々な取り組みを行っているところがあるので紹介してみたいと思う。

(1)    水の力で燃やす方法

環境関連事業のユーシステムズ株式会社は、病院や介護施設向けに、含水量の多い使用済み紙おむつを「水の力で燃やす」専用小型処理機「クリーン・オーゼロ」を開発、運用テストの結果、問題がないことが実証できたため、一般に販売されることになったという。販売価格は600万~700万になる予定らしい。「水の力で燃やす」仕組みが環境保護への取り組みにもつながることが実証された「クリーン・オーゼロ」は、本体寸法が幅1.6メートル、奥行1.5メートル、高さ(排煙塔を入れて)1.9メートルと小型であることに加え、数千万円の投資をしなくても、ダイオキシン類排ガス濃度をゼロに近づけたことの2点が大きな特徴であるという。

 一般的にものを燃やすためには、火をおこして高い温度で処理するのが一般的だが、ダイオキシンを始め有害物質の排ガスを発生、公害問題に発展する可能性がある。さらに現在の紙おむつは、尿、便などに含まれる水分を内部に閉じ込め、肌に当たる部分をさらさらにしておくために吸水用の高分子ポリマーを使っている。開発の出発点にもなった「水の力で燃やす」とは、水を沸騰させ、発生した水蒸気をさらに加熱させ、100℃以上の高温状態にした無色透明の気体「加熱水蒸気」がダイオキシン発生を抑制し、熱を効率よく伝え「焼く能力」も高いという仕組みである。新製品はこの加熱水蒸気を400℃~600℃の間でコントロールし、含水量の多い使用済み紙おむつを「蒸し焼き」状態で処理することに成功した。炉内の高熱を利用し、内部のものを炭にするという、「炭化」していく画期的な技術となっている。処理能力も高く、1回あたりの処理時間が10時間で、1日2回、合計300枚の使用済み紙おむつ(含水量が多いもので約100kg)を24時間無人運転で処理し、最終的には灰2~3kgにまで圧縮する。この灰を装置本体の横に取り付けてある集塵器に取り込めるので、後処理も簡単、衛生的となっている。この灰は、今後、人工ゼオライト化し、土壌改良剤などに利用、リサイクル活用できると報告されている。この新製品はランニングコストも安く、ダイオキシンの排出量(単位:ng-TEQ/m2N)は排ガス分析結果で環境基準値5.0以下に対して0.088、灰分析結果で環境基準値3以下に対して0.0018と、ほぼゼロと言っても良いクリーンなマシンであることを実証しており、病院、介護施設などでの使用に適しているとされている。 

一般的に病院、介護施設などは紙おむつを産業廃棄物として専門業者に処理を委託しているが、産業廃棄物処理場の適地が限られてきているなどの事情から、処理費用の高さと臭気が悩みの種になっている。このような処理機器の開発は大いに時代のニーズにこたえた製品ではないかと思われた。

(2)    使用済み紙オムツのリサイクル業

 紙オムツは、今だ廃棄物から除去し、リサイクルする努力なしに、直接埋め立て処理、焼却、または堆肥化される数少ない家庭用品の1つであるといわれてきている。使用済みの紙オムツを回収し消毒され、パルプとプラスチック材料をリサイクルできるよう、オムツの各部分を物理的に分離して処理にまわす。1枚の使用済み紙オムツの最大98%までが従来の廃棄物処理の流れから除去することが可能だという。高品質のパルプとプラスチックペレットが再利用できるリサイクル技術も紹介されている。こういったシステムが一般に広く普及し、活用されるようになるか否かはやはり導入にかかる初期投資額と、ランニングコストの課題にあることはいうまでもないと考えられる。

(3)    環境に優しい紙オムツの新しい素材

 帝人は廃棄処理の際、環境上問題となる高分子吸水ポリマーを一切使用せず、独自のポリエステル繊維と特殊層構造を採用することで、繰り返し洗濯を可能にした「ミクロバリアーR」を開発し、おむつの廃棄処理問題の改善に成功したという。また、リネンサプライヤーの協力により、洗濯試験を繰り返し耐久性と経済性を確認した。病院での着用試験も実施、快適性についても高い評価を得ることができ、商品化へと繋がった。尿取りパッドと布おむつからなる構造で、尿取りパッドは特殊層構造により尿吸水後の後戻りを抑えた快適性を特徴としている。 布おむつは軽量・速乾性に優れたポリエステル100%素材を使用。綿織物のおむつに比べて40%軽く、乾燥時間も約1/2となったという。紙オムツと布オムツの折衷型であり、正に求められていたニーズにこたえる商品であることは間違いなさそうだが、やはり維持コストが最大の課題になることは間違いあるまい。

 今年の国際医療福祉機器展においても、紙オムツのブースの賑わいは、間違いなく現代の消費者ニーズと関心を一挙に集めていることを示していた。できればオムツのご厄介にはならずに老後を過ごしたいものだがどうしても必要であるのであれば使い勝手がよく環境に優しいオムツが望まれていくのは当然なことであろう。
(記・岩松珠美)

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2007年10月26日 (金)

環境に優しい生活―紙オムツの行く末 その1

 前回、エコ実践の事例紹介について話を進めていくという予告をしたが、筆者が介護現場に2週間ほど仕事で入ることになった。「一日食べては排泄する、排泄すれば食べさせる」という生物としての人間、人生の最終ステージに関わることになって、さてと眼についたのがオムツ、使用済みの紙オムツや紙リハビリパンツ、尿取りパットの廃棄先であった。

 そもそも赤ちゃん用も高齢者用も大きさ、表面積などは異なるが素材や原料はほぼ同じ仕様で生産されているのが紙オムツ類である。

(1)紙オムツの素材の特徴

 紙オムツ類の素材としての特徴の1つは不織布(nonwoven fabric)である。これは、レーヨン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの繊維が用いられ、繊維を織らずに並べて絡み合わせ、それらを結合させてつくられている。繊維を並べる方法としては、あらかじめ切断した繊維を、水中で分散させたものをすき上げる湿式法や、水を用いない乾式法、そして、繊維を切断せずに紡糸工程から直ちに布にしてゆくスパンボンド法などがあります。表面がさらさらした感じがするのは、通常の紙や布と比較して、繊維自体の吸水性が少なくまた、尿などを速やかに下の吸水材に導き、後戻りさせない性質を持っているからである。また2つめの特徴は、高分子吸水材である。これは、高吸水性樹脂(Super Absorbent Polymer、略してSAP) と呼ばれ、1974年(昭和49年)に米国で開発されました。

 現在、日本で紙おむつに使用されている高分子吸水材はほんどがポリアクリル酸塩で、白色~淡黄色の無臭の粉末である 。高分子吸水材の最大の特長は吸水性と保水性です。脱脂綿やティシュー、パルプ等の吸水量が、自重の10~20倍程度なのに対して、高分子吸水材の場合は、純水で自重の200~1000倍、尿の場合でも30~70倍と、極めて高い吸水能力を持っている。また、高分子吸水材は、一度吸水した水分は、外から多少の圧力がかかってもほとんど放出しないなど、高い保水力も併せ持っている。高分子吸水材の使用によって紙おむつの吸水保水性能が飛躍的に向上し、尿もれ・尿の肌への逆戻り等も大幅に改善されてきた。その結果、1日の使用枚数が少なくなったうえに、1枚あたりの紙・パルプの使用量も減って薄く軽くなり、紙おむつの軽量化、コンパクト化が実現した。 これらの特徴は布オムツの肌触りや湿度を適度に逃す綿により近づけ、その一方で漏れ易い、洗濯の手間などの欠点を補うオムツとしてシェアを広げて普及されてきた。

(2)使用済み紙オムツの処理

 家庭で使用された紙おむつは、一般廃棄物として自治体の清掃事業の一環として収集され処理されている。日衛連が全国の自治体を対象に調査した結果では、ほとんどの市区町村が可燃物として収集し焼却処理している。 一方、介護施設など事業所から出る使用済み紙おむつは、事業系一般廃棄物として自治体または一般廃棄物収集業者が収集し、焼却処理している。また、病院など医療行為を伴う施設から出る紙おむつは、平成16年に環境省が定めた「改正感染性廃棄物処理マニュアル」に基づいて感染性と非感染性に区分され、非感染性の紙おむつは事業系一般廃棄物、感染性の紙おむつは特別管理一般廃棄物として、いずれも焼却処理されている。紙おむつの焼却カロリーは使用前で、5,000~5,500kcal/kg、使用後の水分を含んだ状態で1,300 ~1,800kcal/kg(含水量によって変動する)であることが、東京都清掃研究所の調べや当連合会の焼却テストで確認されている。高分子吸水材を燃焼すると炭酸ガスや水などは発生するが、有毒ガスは発生しないと言われている。 

 しかしながら紙おむつを焼却すると、焼却条件によってはごく微量ですがダイオキシンが発生する可能性があるとの報告がある。例えば一般家庭ごみと紙おむつとが一般廃棄物として混焼されることにより、塩素基を含んだ何らかの家庭ごみからダイオキシンが発生する。紙おむつ自体には塩素基を含有する成分は使用されていない(平成10年 日衛連実験による)。平均して800℃を越える連続運転で完全燃焼を行えば、一般家庭ごみと紙おむつとが混焼されても、ダイオキシン発生は最小限に抑えられ、その後に焼却ガスを処理することで、発生量は極微量にできるとされている。わが国のごみ処理は焼却処理が中心で、一般廃棄物の約75%が焼却処理されており、使用済み紙おむつは95%以上の自治体が“可燃ごみ”として収集し焼却処理している(日衛連調査 2001年)。したがって、通常は焼却処理される可能性がほとんどで埋め立て処理した場合、尿及びパルプ・吸水紙等は長い年月の間に土中の微生物により分解されるが、石油原料由来の防水フィルムや不織布、高分子吸水材などは分解せず、そのまま土中に残ることになってしまうので埋め立ては環境保全には合致しないので、行われていない。

 ではリサイクルが可能であるかという問題であるが、新聞、雑誌等のような単純な紙製品とは異なり、使用後の紙おむつから尿の完全除去は困難なこと、紙おむつは数種類の素材の複合体であることなどから、衛生面、技術面(分離再生処理)、また社会的インフラなど、現時点ではリサイクルに適していないと考えてられている。

 また使用済み紙オムツは一度し尿が付着したために、単に紙オムツを素材別に分離するだけでなく、薬剤を用いた消毒・滅菌等の処理工程が必要になる。また、パルプは再生する毎に繊維が短くなり、その結果バージンパルプと比較し再利用した場合には吸収性能が劣化する。将来、技術的な改善が図られる可能性も考えられるが、現状では採算性や性能の点で課題が残っている。他にもパルプを堆肥化して肥料を作る技術も研究されていますが、これも採算性や堆肥としての品質面に課題が残されている。環境に優しい紙オムツの素材の特色、尿や便の成分の持つ特徴の両方を処理でき、考え合わせた新しいリサイクル技術開発が待たれている。65歳以上人口が全人口の25%を超える高齢社会を迎えた現代において、環境に優しい素材と使用済み紙オムツの環境に配慮した廃棄についてはまだまだ世の中の関心がやっと動き始めたばかりだと言えるように思えている。
(記・岩松珠美)

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2007年10月19日 (金)

エコ住宅の行く末~その2環境共生住宅②

 急に朝晩の気温が下がり、富士山の初冠雪の便りも届く頃になった。たまたま連休ホームセンターに行ったらオール電化とエコウィルの宣伝が当たり前のように店内放送で流れていて思わず耳を欹てた。エコウィルについては前回触れたような国庫の補助金も出るので導入をお勧めする旨を語っている。省エネになって、小さいお子様や高齢者がいても安全性が高い、おまけに国の補助金制度もあるという謳い文句は正にいいこと尽くめに聴こえ、一般市民に対しては説得力があるような印象は十分に伝わってきた。エコウィルという言葉のイメージはこのように浸透してきている。しかしながら、エコウィルの背景にある、肝心の環境共生住宅思想の存在まではなかなか届いていないのが今のご時勢であろう。 日々地球環境にどう人類が生き延びていくかなどと高尚な考えには行き着かないのが普通に違いない。都会の住宅過密環境や地価沸騰を考えると新築のオール電化マンションや建売にしろオール電化住宅を購入できる層はごく一部の富裕な人々にしか過ぎないのが現状である。多くの庶民は、築30年は軽く過ぎた建売住宅や中古の外装に多少手を入れたマンションに住み続けて生涯を終えていく。先日、被災した新潟県柏崎市を訪れた筆者は、異様な町の光景にまず驚いた。同じ地域に居住しながら全壊している家屋の合間にびくともしていない印象で新築の住宅が点在している。言い換えると被災者でも体育館で不自由な避難所生活を強いられている人々は、オール電化の家屋とはかけ離れた老朽化した家に住まい続けてきた高齢者や低所得者層に多いと考えられたのである。では被災を機にオール電化の家に立て替えが進んでいくのかというとそれも現状として実現は困難を極めるというのが率直な感じであるように思えた。

 こういう庶民事情を念頭において前置きが長くなったが環境共生住宅を前回に続けて語ろうというのが今回の趣旨である。

そもそも「環境共生住宅」が検討され始めたのは、平成2年、政府が二酸化炭素排出量の削減を盛り込んだ「地球温暖化防止行動計画」を決定したことがきっかけであった。
これを契機に、エネルギーの全消費量の約1/4を占める住宅分野においても地球環境との調和が求められるようになったさらにこれに加えて、住宅の質の課題である周辺環境との調和や居住環境への配慮も必要であり、これらを踏まえた総合的な環境対策が必要になったことが指摘されてきた。

 こうした背景のもと、国土交通省では省エネルギー施策とあわせて、環境にやさしい住宅・市街地整備を図るため、環境共生住宅建設推進事業(1992年度創設)や環境共生住宅市街地モデル事業(1993年度創設)等の施策を実施してきたのであるが、一般国民にどれだけの周知が得られてきたかについてはやや疑問である。つまり環境共生住宅の基準やイメージ等に対する共通した認識が得られていないため、一般に十分普及しない状況ではないかとされた。

 このため、1999年度より(財)建築環境・省エネルギー機構において、環境共生住宅認定制度を創設し、環境共生住宅の基準を明確にし、必要要件を満たした住宅を環境共生住宅として認定する事業を実施している。

 本制度による認定戸数は2002年度では約800戸となっているが、認定に際しては申請手続きや申請費用が必要である。したがって、必要要件を満たしていても認定の申請をしていない住宅も多数あると考えられる。 今後、環境共生住宅を普及促進し、地球環境や周辺環境との調和や居住環境に配慮した良好な住宅ストックを形成していくためには、環境共生住宅の意義を明確にすること、住宅取得者の環境意識を醸成していくこと、当面コスト負担を軽減し環境共生住宅の供給戸数を増やしていくこと等が考えられる。
自治体や住宅供給公社等も、国土交通省の「環境共生住宅市街地モデル事業」の助成を利用するなどして、環境共生住宅の建設を進め、現在、国内では戸建て住宅から集合住宅まで、60カ所以上で建設されている。

 中でも有名なのは、平成9年、東京・世田谷区に完成した「世田谷区深沢環境共生住宅」(敷地面積7,388平方㍍)。 これは、従来の木造平屋建ての都営住宅(35戸)を、5棟の環境共生型の集合住宅(70戸)に建て替えたものである。2年間にわたり、地形、敷地内の樹木や小動物、季節による風向きの変化などを徹底的に調査した上で、敷地内の団地5棟(3~5階建て)の構造や配置を設計し、建設されている。その特徴を先の「環境共生住宅」の3つの定義に当てはめてみると──
①「地球環境保全」の面からは、屋上緑化(一部の棟では壁面緑化も)、太陽熱温水器(1棟)、太陽光発電装置による常夜灯、各戸バルコニーの雨水貯留タンク、生ゴミの共同処理機による堆肥化、小型風力発電装置(2基)。このほか建て替え時に出た瓦などの廃材をリサイクルした。

 また、②「周辺環境との親和性」については、井戸水を利用したビオトープ(多様な生物との共生の空間)の造営、旧住宅の樹木の一部を保存、透水性舗装などを実現した。

 さらに、③「居住環境の健康・快適性」に関しては、地域の風向きを調査して樹木や建物を配置、各棟の前に花壇を付設、建物に吹き抜けを設けて風通しを考慮、道路や縁石を段差がないバリアフリー化した。

 こういうモデル事業が具現化された住宅に実際に居住している人々は地球環境問題についても一般の人々に比べてはるかに意識が高い層であることは容易に想像できる。つまり、モデル事業がモデル事業にとどまっているうちはまだまだ環境共生住宅という発想そのものが大変特殊な珍しいものであるということには違いない。

 ただこの環境共生住宅について読み込んでみると総てが新しい設備投資が先行する事業とはいいきれず、廃材のリサイクルやユニバーサデザインにつながる考え方であり、一般庶民が身近な日常生活についてのひと工夫や緑化などの環境整備で実現が十分に可能であることもとても多いのではないか、そのことを広く一般に知ってほしい、考えてほしいと願っている次第である。

(記・岩松珠美)

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2007年10月12日 (金)

エコ住宅の行く末~その1環境共生住宅①

 これまで数回にわたりエコ住宅についてパーツからみたり、大掛かりな設備からみたりして来た。今年のように夏の訪れが遅く、冷夏の予想を裏切る猛暑、一晩で10度下がる気温でとりあえず暑い!から寒い!と挨拶が変わった気候をみていると本当に地球環境全体が大きく乱調になっているのではないかとしみじみ感じている。そういう意味では今更地球環境に共生した生活スタイルを自ら実行できるとは思わないが、それは日本政府の政治施策に大きく波紋をなげかけるつもりもないので環境に共生してブログをすすめていこうと思うのである。

 さてわが国の建築環境施策の1つの方向性として、環境共生住宅制度がある。

 

1990年に政府が提唱した「地球温暖化防止計画」を受けて財団法人建築環境・省エネルギー機構が事務局となり研究開発がスタートしたのがきっかけで、その歴史はまだまだ浅いもの。実は「環境共生住宅」は財団法人建築環境・省エネルギー機構の登録商標になっている。

 

すなわち環境共生住宅とは、地球環境問題や資源・エネルギー問題、住宅の質や居住環境の問題といった今日の住宅を巡る様々な状況に対処するために生み出された「住宅とその居住環境」に関する思想と手法の体系とされている。その背景と定義、基本要件にまず触れてみようと思う。

 まず背景として地球環境問題: 地球温暖化やオゾン層の破壊、酸性雨など、地球規模の境問題は今や国際的な重要課題となっているのはこのブログが拓かれている基本的出発点である。資源・エネルギーの大半を国外に依存する日本では、その調達や消費のあり方について長期的な見通しに立った対策が求められている。また少子・高齢化や地域の生活環境の悪化といった社会的な背景から、住宅内部や屋外の健康・快適性を重視し、自然・周辺環境との調和や景観に配慮したより質の高い住宅の供給と居住環境の整備が求められていると言われている。こういった背景を踏まえて地球環境を保全するという観点から、エネルギー・資源・廃棄物などの面で十分な配慮がなされ、また、周辺の自然環境と親密に美しく調和し、住み手が主体的に係わりながら、健康で快適に生活できるよう工夫された住宅及びその地域環境の整備が緊急課題となってきている。

 ではどういう要件を備えたら環境共生住宅に定義できるかというとまず地球環境の保全 住宅の生産・建設・維持・廃棄に係わるそれぞれの過程で省資源・省エネルギーを図り、自然・未利用エネルギーを活用する等、地球環境の保全について、適切な配慮がなされていることがあげられる。続いて周辺環境との親和 住宅の計画、構・工法、維持管理、住まい方等の面で、周辺の自然環境や地域社会等との親和を念頭においた、適切な配慮がなされていることも重要である。さらに居住環境の健康・快適性 住宅の内部・外部における居住環境の健康性及び快適性の実現について、計画、維持管理、住まい方のそれぞれの面で適切な配慮がなされていることが施策の定義を聴いても、さてどんな住宅が環境共生住宅のイメージなのか?と思われる方も多いと思うので東京の都心にある、住宅環境評論家南雄三氏の住宅の事例を少し紹介してみることにする。

 南氏の仕事場である事務所棟の屋上には、なんと6坪の広さのある屋根の上の庭。見事な屋根緑化が実現している。この屋根緑化のベースは、アスファルト防水を施した緩い勾配の屋根の上に、ヤシの実繊維でできた土のうに人工土壌を入れたものを積み重ねて作ったもの。保水性があり、乾燥しにくく、雑草も入りにくいというメリットがあるそうである。厚さはわずか10cmほどであるが、当初11種類の植物を植えて四季折々の植物が彩っている。「普通の住宅では、夏の暑さを避けるためにどうしても屋根に勾配をつけて、屋根裏ふところを設けているが、屋根緑化ができれば人工土壌が直射日光を防いでくれて暑さ対策ができるから、結果的に屋根の勾配を緩くして寝かせてゆくことができる。こうすると緑化がやりやすくなるわけで、乗って遊べるし、畑もできるという発言がなされていた。また水分が蒸発する時に熱を奪っていくのも涼しさに貢献しているからもともと屋上のある建物の屋上緑化と、屋根緑化は違うと南氏は語っている。「屋根緑化の場合は、限りなく屋上に近い屋根にすることがポイントですね。」という言葉が印象に残った。

 このような発想の転換がまず環境共生住宅の発想の原点にあるということを今回はまず理解してほしいと思う。次回は、環境共生住宅の実態についてさらに話を進めていきたい。(記・岩松珠美)

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2007年9月30日 (日)

エコ住宅を構成する照明

 急に一晩の間に秋風が吹いてきて気温が一気に閉め切った室内で23度になっている。本来はそれほど寒いとは感じる気温ではないはずなのに、昨日との温度差が10度もあり、身体の生理機能調節がうまくいかず、体調が優れないと感じている方も多いに違いない。

 エコ住宅パーツをいろいろと紹介しながらたどり着いたのが照明である。

 近世まで照明といえばロウソクか油ランプであり、夜は暗く、暮らしは陰影に満ちていたと考えられる。ところが産業革命以来、ガス灯、アーク灯、白熱電球、蛍光灯と、照明は急激な発展を遂げ、街も家の中も照度を増していった。明治以降、日本も産業の発展に裏付けられた高度経済成長とその文明を吸収し、昭和初年、すでに東京はパリ、ロンドンより明るくなり、さらに戦後は世界一蛍光灯を愛する国となった。だがその明るさにより人々の日常生活が過度にスピード化しそのことの弊害に気づきつつ、経済も低成長時代を迎え、「明るさ信仰の時代の見直し!」が指摘される中で消費電気エネルギーの節約、照明の照度、規模、数量の縮小だけがより人間にとって快適な、環境に優しい照明との付き合い方だとは筆者は思えないのである。確かに、人工照明に消費されるエネルギーは、全世界のエネルギー消費のうち、約30%を占めていると言われている。省エネルギー推進の視点に併せて生活文化と照明効果を十分に考えながら、照明技術について新たな光源の技術開発やLED(発光ダイオード)など新光源の技術進化の利点に眼を向けていくべきだと思うのである。

 都市近郊に住宅地が開発されるに従って住宅の照明も増えてくる。現在筆者が住む東京のマンションの10階からの夜景はまさにメトロポリスの圧巻な光景で様々な色彩の光によるイルミネーションに思わずしばし見とれてしまう。人々が生活する場所には、必然的に商店、娯楽・スポーツ施設、レストランなど色々なサービス業、そしてそれらに付帯している駐車場などが増え、屋外照明もそれを追って取り付けられるものである。人の生活があるところには夜間照明はなくてはならない存在になってきている。また人間の生活活動時間帯がだんだん夜型にシフトしてきていることもあるかもしれない。 都市と商業地の夜間照明、住宅地、街を中心にして碁盤の目のようにのびる道路、山間を縫うように走る高速道路をぼんやり眺めながら照明の効率的な使い方を考え、地球温暖化対策の為にもエネルギーを有効に使う方法を知る必要があると考える。

 人間の生活に欠かせない照明は、直接照明、補助照明、間接照明の大きく分類して3種類に分けられる。直接照明は人々の活動には最優先の照明である。人間が暗いところで効率よく作業するためにはどうしても必要な証明であり、生活の基本となる照明である。直接照明は発光元(蛍光灯や電球など)が直接対象物を照らす方式の照明で、できるだけ障害物がない場所に据えることが重要である。蛍光灯などの冷たく一直線な光による照明なので、やや機械的な印象を受けるが、直接対象物を照らすので光の量が一定なので作業効率が一定化する利点がある。

 直接照明の特徴は天井などに設置する方式なので最大限の光の量を利用できることである。また反射を考えないために光が当たる部分とそうではない部分がはっきり分かれる。人間が作業するために生活のあらゆるシーンで使用される照明であると言える。一方で直接照明のデメリットは元から据えつけられていることがほとんどのため作業光としての使命のためにどうしても照明器具のバリエーションには限界がり、単調になる。白熱球を使用した直接照明の場合、発生する熱エネルギーの無駄が出やすいなどの短所もある。
間接照明はその反対に光が何かにあたり、その反射光を利用して周囲を照らすものである。つまり、間接照明は反射することによって光は柔らかくなり、雰囲気造りには役立つ光となる。

 しかし直接照明よりも暗くなるので人間の活動のための光としてはやや使いにくい印象がある。また直接照明と違って、反射を利用するために穏やかな光になりやすく、陰影が浮き出しやすくなる。そのため気分を落ち着かせたり、逆に気分を盛り上げたりすることが出来るわけである。間接照明の使用目的は住まいの“遊び”であり“余裕”であり、省エネと効率性の追求から考えるとどちらかというと無駄な部分に整理されがちな照明である。また補助照明を併用しなければならない場合が多い。

 豊かさを象徴する間接照明は、まさに省エネやエコライフとは逆行するようにさえ感じてしまうが、実際に最高の間接照明に近い光とはまさに自然光そのものなのであり、まさに照明の原点に立ち戻るものではないかと思う。

 現在の照明の主流である蛍光灯に取って代わるのではないかとされているのがLEDであり、低電力、省エネで発光でき、通電と同時に最大照度で点灯などのまず多くのメリットがあり、間接照明としての応用も利く素材である。夜の地球を人工衛星から映してみるときっと世界のどの地域が栄えているのかが手に取るようにわかるにちがいない。しかしながら宇宙からみて明るい地域であればあるほど、地上から宇宙を見たときに暗くなってしまう。地上にあふれる人工の光を楽しむのと、空にあふれる星の光を楽しむのとどちらが幸せなものなのか、それはわからない。今回は、エコ照明というテーマながら、効率化を目指すものではなく、本当の環境に優しい照明は人間の心に潤いや安らぎをもたらしてくれるゆとりの要素も盛り込んだものが開発されていくべきではなかろうかという主張に集約されていったように思うのである。
(記・岩松珠美)

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2007年9月29日 (土)

エコ住宅を構成する建築素材―エコカーテン、窓、エコガラス

 原稿を書き始めたときは、残暑の日差しが一段と厳しくて室温はマンションの10階で33度を越す9月下旬にエコ建材を調べていてエコカーテンなるものを発見した。エコカーテンというイメージから連想されるのは当然環境に優しいカーテン素材の話であるが、エコカーテンというのはグリーンカーテン、つまり天然の植物や観葉植物で作った衝立であったり、すだれのようなものが実際には挙げられている。室温や体感温度、湿度を下げて、軽井沢の木立ちの中を散策するような快適な環境を工夫することができる。25度~29度くらいまでしか室温があがらず、実際に夏の間冷房が都内でありながら必要なかったというのは極めて快適な工夫にちがいない。エアコンをつけたまま24時間過ごす部屋の外は、高温になって熱風をふきだしている室外機がうねりをあげているわけであって、電力消費だけの問題でなく、反エコ体制の代表例にあるのは間違いない状況である。

 ではカーテンといった言葉に求める機能は本来どういうものなのであろうか。まず、遮光、遮音、紫外線カット、断熱、インテリア効果などのほかに消臭、防臭なども取り上げられている。まず遮光は、陽射しをさえぎり、外の視線からプライバシーを守る。 遮音は、窓の外の音が高音になるほど高い遮音性を発揮される。断熱については、窓を通して取り込んだ太陽熱が再度失われていくのを遮断し、10%近く暖房費用の節約を可能することができるという。新築の家や壁紙をリフォームした住宅のホルムアルデヒドを低減するとともに消臭する効果が期待できたり、人体の老化や新陳代謝に伴って生じる臭いの原因物質「ノネール」を化学的に吸着・分解したり、太陽光・蛍光灯の光で、シックハウス症候群の原因と言われるVOCの低減や、生活のイヤなにおいの消臭に効果を発揮する素材のものも開発されてきている。材質も再生ポリエステル繊維を50%以上使用した、環境に優しい商品がでてきている。

 カーテンと言えば次に閃くのがカーテンが覆う窓である。窓は、採光、換気、すなわち「光を入れ、風を招くもの」である。窓と言えばさらにガラスである。明るい日差しを取り込み、美しい星空を眺め、ガラスを細く伝わり流れるしずく、雨だれを芸術的にみせる・・いずれも窓ガラスの働きである。もちろん、防風、防水、防犯、防音、断熱、遮断といったような住宅に必要とされる機能をカーテンやガラスという材料のそれぞれの機能をより融合し補強させた形で提供しているのがカーテン付きの窓ガラスということになる。窓ガラスの素材として最近注目を集めてきているのがエコガラスである。エコガラスとは住宅性能表示制度の温熱環境性能で最高位の評価(等級4)を得られるガラスである。定義的には「レースのカーテンだけで、次世代省エネ基準を満たす事が出来るLow-E複層ガラスのことを指す。住宅を構成するパーツを「住宅性能」を判断する目安が住宅性能表示であり、窓ガラスが大きな確認要素となる温熱環境性能は、チェック項目中で、常により高い性能が要求されている項目であるらしい。室内を快適に保つためにも、エネルギー消費を抑えるためにも、温熱環境性能では最高位(等級4)の住宅がよりよいということになる。また、省エネ法改正に伴い表示が開始された省エネ等級でも、エコガラスは高い評価を受けているらしい。

  日本は温暖な島国であるため、外敵から身を守る必要がなく、自然と一体化して暮らすという考え方から、住居は開放的な造りになっているものが多い。柱と梁で組み立てる日本の伝統的な建築様式では、壁に穴を開けるというよりも、柱と柱の間を戸でふさぐ発想が基本にあると言われている。前述した採光、採風、通風は窓の基本的な機能であるがそれらに加えて人や物の出入り口や建物の内側から外を眺める眺望、居住する人々の暮らしの豊かさを表現する手段として用いられてきている。

 時代や生活様式の変化、住む人間の価値観の変化、環境の変化、それぞれに併行してそれらに求められるデザインも素材も機能も少しずつ変化してきているように感じられる。その中で常に大切に据えられてきたの、建物の内側と外の世界をつなぎながら、同時に有害、危険から、生活を守り続けていくのが窓、カーテンであり、快適で安全な環境を発想する原点がそれらには存在しているように思えている。
(記・岩松珠美)

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2007年9月27日 (木)

エコ住宅を構成する建築素材―床材

続けて書き進めようとしているときに私ことながら引越しをすることになり、築15年になる賃貸マンションに住むことになった。リフォームされた室内は新建材と言われる塗料や壁紙の匂いに青々とした畳を乾いた布で拭いてみると布が緑に染まる不思議を眺めながら、ふとこの畳の上に布団をひいて毎晩眠るということは、健康にあまりよくない、しいては人間の住環境にあまりよくないのではとつい思い、床材、壁紙のエコについて考えてみることにした。

(1)フローリングの床    

 猫と犬がいる我が家は、赤ちゃんがはいはいするのと同じように触れる「床」がまず気になる。ホルムアルデヒドという薬品は、木質建材に使用されている接着剤や塗料などに含まれる有毒物質で、合板などから揮発する。空気中の濃度が高くなると目がちかちかしたり、せきが出るなどの障害を起こす。低い濃度でも、長期間吸うことで化学物質過敏症などを引き起こすことがある。ぜんそくなどの化学物質過敏症の場合、リフォーム直後の家や新築の家に入ると気分が悪くなったり、ぜんそくの発作が起こしたりするという話は耳にしたことがあるであろう。

 床材も含め、すべての木製品は、無垢(むく)か、JAS(日本農林規格)で最もホルムアルデヒドの放散量が少ない基準、F1を満たす建材をチョイスし、(注:2000年に改正され、従来のF1は、Fc0となる)接着剤を使用した木質建材においては ホルムアルデヒド放散量基準(mg/L) 合板・積層材、集成材については、新居に引っ越してから住み始めるとぜんそくなどを発症することもある。せっかく新築したのに、家にいる時間が長い奥様が数か月で重い化学物質過敏症にかかり、別にアパートを借りて住む羽目になったという悲惨な話も耳にしたことがある。住まいを造ったり選ぶ時は、少々高くついても、床材はもちろん、木質建材はすべて無垢か、合板や集成材ならFc0の基準を満たすものにした方が住む人間の健康によいと考えられる。当然であるが、施工に接着剤を使用する場合、それもホルムアルデヒドなどへの対策をとってあるものにしてもらうことを心がけたい。無垢の床材は、ホルムアルデヒドの心配がいらないだけではない。表面に傷がついても、中まで同じ材質であるから、違和感はそれほどなく、“生活の味”として床材の変色を楽しむこともできる。長年使って、あまりにも傷が目立つようになれば、表面にグラインダーをかけて削り、再生することも可能である。最初にかかるコストは一般に合板より高くなるが、長い目で見るとお得である。ただし、無垢の場合、合板よりも、伸び縮みや反りなどが出やすいですので、高度な施工技術が必要になってくる。無垢材の施工経験が豊富で、木の性質に詳しく、十分に乾燥させたよい材料を扱う業者を選択すべきである。また、無垢のものに限らず、床材を選ぶ時は、必ず、現物のサンプルを手に入れて、肌触りや丈夫さなどを確かめる方がいい。無垢の中でも、何の木にするかを、エコ的に見ますと、南洋材は避けたい。なぜなら伐採と植林の管理がうまくいっていない森林が多いからである。国産や、北米系、ニュージーランドなどの針葉樹はそうした問題をクリアしているところが多いようである。 

 環境に配慮した、持続可能な森林の管理を推進する国際組織、FSC(森林管理協議会)の厳しい基準を満たした商品であれば理想的である。 

またコルクは、木を倒すのではなく、コルク樫(がし)の表皮をはがして作る。表皮をはがしても、およそ10年で再生するため、環境への負担が少ない資源である。また、断熱性が高いため、足下が冷えにくく、暖房温度を下げられる、つまり、省エネにも役立つ。その他、弾力性がよく、衝撃を吸収するため、足への負担が軽くなるし、音も吸収してくれるので、階下の人にあまり気兼ねしなくてすむという効果も期待できる。コルク材の難点は、耐久性である。ウレタンやセラミックなどを表面に塗って耐久性を高めた商品も出てきているが、これらは表面が硬くなる分、弾力性、肌触りは劣ってきてしまう。   

 竹を使った床材も最近、注目されている。竹は、木に比べて成長が非常に早く、3~5年で床材として使用できるため、環境への負荷が少なくて済む。また、強度が高く、昔から定規に使われるくらい、変形や反りが少ないというメリットもある。

 床材の張り方には、根太(ねだ)工法と、捨て張り工法がある。根太工法は、根太という、床の下地として間隔を空けて渡してある材木に、床材を直接張る工法である。

 捨て張り工法は、根太の上に下地用の合板を張った上で、床材を張る工法である。根太工法は手間がかからずコストは安くなるが、きしみや耐久性を考えると、12mm以上の合板を使った捨て張り工法がおすすめになる。もちろん、下地用合板もFc0かチェックしておいたほうがよい。

 木は腐ったり、変色、ゆがみが出るからという理由で石油系の新建材が手軽に使われるようになったが、結局ホルムアルデヒドによる室内環境汚染などが問題となってきた。それに廃棄すれば環境汚染に繋がる。また、合板は木材のいい部分を選んで作られるため結局は無垢材と使う木の量は変わらないし、接着剤の使用も怖い。また生産時にはもちろん二酸化炭素を排出している。その点、やはり無垢材は改築しても長く使えるから、長い目で見ればリーズナブルだしやっぱりエコといえるのは間違いない。長く住む家だからこそ、本当にエコな材料が使われているかどうかを確かな目で見て選ぶべきであろう。そういう意識を持つことが人体の健康保持とさらには環境保護を考える姿勢につなげていきたいものである。
(記・岩松珠美)

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2007年8月15日 (水)

エコ住宅のパーツ編:ヒートアイランド現象と緑化対策

前々回のエコ住宅の話の続きで、エコ住宅の話の続編である。エコ住宅を建設するために必要不可欠なのは、各種エコ材料(例えば壁材や床材など)や建材などのひとつ、ひとつにエコに関するコンセプトに基づいて製作されたパーツである。今回は、エコ住宅素材としての緑化を通じた環境に優しいパーツについて今回は考えていくことにする。

(1)    エコ建材の共通点

 エコ建材の持つ環境に関する留意点のアピールポイントは大きく分けて2つのタイプに分類されると考えられる。とりあえずひとつは断熱、遮熱などの間接的に冷暖房費の節約や室内環境のより快適化を目指すことを通して貢献するタイプである。もうひとつは廃棄や処分に関わるもので、有害廃棄物を発生しない、二酸化炭素の発生抑制、土壌に戻り、自然環境を劣化させない、リサイクル資材として活用できるなどの貢献するタイプである。

 どちらのタイプをより重視するという考え方より、双方の良さをそこそこ生かす折衷タイプが最近もてはやされているように思う。どちらにしても従来のパーツよりはるかにコスト高になってしまうのは当然ではあるが、簡単に一般庶民生活に普及していかない理由は前々回に述べたとおりである。

 さらに人間が居住するので自然災害や人災、火災などのあらゆる危険を事前に考慮した安全性、耐久性が求められる。自然環境に適応しても、人間の身体機能に有害であることが後々に公表される可能性も十分に考えられる。 

 ローコスト、ローリスク、ハイナチュラリティ、ハイエコロジック、ハイセキュリティ総てを満たすエコ住宅は果たして今後開発されていくのであろうか。それら総ての早急な実現が難しいとするならば、今ある建物や建材をどう生かしながら、環境を大切にしていくかを真剣に考えなかればならない。エコ建材を調べてい断熱建材に行き着いた。

(2)    屋上や屋根の緑化対策を支える断熱建材

 最近マスコミで話題になっている屋上緑化を取り上げてみよう。一平方あたり、施工費込みで2万3000円ほどかかる。ヒートアイランド現象対策としての屋上緑化効果への期待はかなり大きい。

 ヒートアイランド現象は都市部では、建物や道路の蓄熱、人工排熱などによって郊外よりも温度が高くなるために上昇気流が生じ、地上では郊外から都心へ、上空では逆の循環流が発生する。更に、この上昇期流は「ダストドーム」と呼ばれる都市上空で汚染物質をドーム状に覆う現象を起こさせる原因にもなる。ヒートアイランド現象は、単なる熱汚染問題であるのみならず、大気汚染問題でもあると考える必要がある。

 都市の気温は年々上がり続けている。このまま行けば、30年後の東京では気温が40度を超える日も珍しくなくなると予測する学者もいる。

 地球全体の平均気温は、この100年間に寒暖を繰り返しながらも、着実に上昇する傾向を示しており、約0.6℃上昇しているといわれている。この地球全体の温暖化は、二酸化炭素、メタンなどの温室効果ガスによるものといわれ、その対策の必要性が叫ばれていることは周知の事実であろう。都市の気温は確かに年々高くなっている。たとえば最低気温が摂氏25度以上の夜を熱帯夜といいますが、大正時代に入るまで、東京の熱帯夜は年に1日あるかないかだったようである。それが1960年代には年に平均14日、80年代には20日に増えたという。

 ヒートアイランド現象に対する緑化対策には道路の沿道の緑化、建物の屋上の緑化、多自然型河川の造成、雨水の涵養と湧水の安定などがある。建物の表面温度下げる方法のひとつに遮熱塗料を屋上に塗布した上で、屋上緑化を実現することがより効果的に実現できる。特に日光を受ける日射量の多い屋上、屋根の表面温度を下げることができると建物内部へ侵入する熱量、屋上や屋根から大気中に放射される熱量を抑えることができて表面温度を15~20度引き下げることができると言われている。

 テレビで報道されている、屋上緑化を支えるのはまずこういった塗料の存在がある。続いて、大量の土壌が植物育てる上には必要なので、建物の耐久性に合わせた軽量に開発された土(多くの場合、植物の生育を補助する肥料成分も含まれた土壌)が用いられる。

 その他に自動給水噴霧装置などのパイプを通す工事も必要であるから、コストはやはりけして安いものでないという印象もあるが、企業の比較的手軽なエコ活動に導入を検討しているところも多いらしい。
記・岩松珠美

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